「まだ、4曲目である」
今年は作詞家の松本隆を雑誌やテレビでよく目にする。
直近では松田聖子の新曲「永遠のもっと果てまで」発売が話題だろうか。
8月には活動45周年を記念し、歌詞を提供したアーティストを招いたライブを開催している。
読売新聞9月3日の夕刊に、こんなライブ評があった。
音楽は数十年の時を一気に超える。太田裕美が「木綿のハンカチーフ」を変わらぬ優しい歌声で披露すると、涙を拭う観客がいた。まだ、4曲目である。
よくある使い方だと思う。
「まだ本人が登場していないのに」「まだ開演前なのに」
けれどこの文章のリズムのなかに挟む「まだ〜」は、格別に心地よい。